パックス・ネトポヨーナ! 

 

 

 

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こじらせてない方のねとぽよちゃんです!

『ねとぽよ 女の子ウェブ号』のウェブ販売も始まったところで、読者(23歳女性・大学生)から感想のお便りが届きました。本人の同意を頂いたので、ブログに掲載しちゃいます!

 

※一部本人の同意を得て文言を修正しています

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購入した『ねとぽよ 女の子ウェブ ギャルぽよ版』、最後まで読みました。そして鼻セレブを使い切りました。象徴編集長の斉藤氏にはティッシュ代を請求したいところです。理由は後述します。。。

 

「放課後インターネット」について

とても面白く読みました。そして読んでいるうちに雲行きの悪さを感じました……。

「くろれきし、みんなではなせば、こわくない」と言う人間の「黒歴史」とは、みんなそれぞれの程度で消化できている黒歴史であり、磨けば綺麗になろうとも関係ないんです。これはこじらせクロニクルで嵐がくる前兆でした……。

 

一国一城の主SNSについて

個人サイトを持っていた女の子たちを指して「一国一城の主」という言葉が出てきましたが、「pivixやニコニコのような検索性やコミュニティ性を保ちながら、一国一城の主になって絵や動画を発表すること」って、SNSで可能なのでしょうか。もっとデザインをカスタマイズしたい。「とびだせ動物の森」では、すれちがった人の部屋を保存できます。人は「ぼくがかんがえたさいきょうのおうち」ってやつをみんな知りたがってるし、知ってほしいんです。

イラストは額縁が貧相でもなんとかなるかもしれませんが、小説は内容だけでない文字そのものが持つ要素が大きいと思います。pixivの小説機能を使うとわかるんだけど、あれものすごく使いづらい。

「小説家になろう」もそうなんだけど、文字の大きさや字体が限定的で、段組やらレイアウト、文字の色その他もろもろ、デザインに関して自由がきかない。

そして玄関(トップページ)もないから、失礼な言い方だけどその小説が読むに値するかどうかを最初に判断できない。個人サイトは文字やページのデザインもひっくるめて作品だったから、上手なサイトさん(こうやってさん付けするのも女の子文化?)なら読みたい気持ちが何倍にも膨らみます。作り手がデザインで差別化や自己表現できないから、絵かきさんより小説書きさんのほうが、イラストSNSよりも未だに個人サイト持っている印象があります。(大手の絵描きさんや年齢が高いと思われる人は個人サイトもっている傾向が強い)

pixivの小説機能には「表紙」がありますが、表紙だけデザインできても自由度が低い。だからpixivで流行るのは「~ちゃんねる」といった、2chスレ風に作り上げられた擬似小説なんだと思っています。2chはみんなレイアウトが同じだから相性がいい。

だから、機能性だけじゃない、デザインの自由度が高い舞台装置を備えたSNSがあれば、もっと楽しいと思いました。歌い手クラスタと踊ってみたクラスタではページデザインの空気が違う、とかありそうです。

 

ドリームvsBLについて

私は「自分をだして何が楽しいの?」思っちゃうので、圧倒的にBL派です。BL派の人間のほうがこじらせ女子ですね。BLは男性という他者を使って恋愛や性的ファンタジーを組み立てるお人形遊び。

どんなに作り手の自意識が透けて見えていようとも、他者であることそのものに意味があります。キャラが自分や女性だと当事者性が強すぎて、現実の社会構造やジェンダーに疑問を持っている人たちの受け皿になれない。

あとR-18になると、「キャラと自分がセックスするなんて恥ずかしくて無理!」というのはある。もっとも、「女性が性をかたることの恥ずかしさ」、もしくは「恥ずかしいと思うことが当然とされている社会」ってのも複雑な背景がありますが。

 

なりきりチャットについて

なりきりがなぜ面白いのか、私はよくわかりません。ただ、なりきりが「コミュニケーションツールとしての共通点」という説明は腑に落ちました。そういうのが好きな女の子達って確かにいた。結局なりきりたいわけじゃなくて、つながりたい子達。適度に変身願望を満たしてくれて、それでいてリアルをフィクションのオブラートに包んで伝えられる。男性だと、「中の人などいません!」っていうなりきりの仕方だけど、女性は「お互い中の人がいてこそのなりきり」なんだと思います。

 

こじらせクロニクルについて

(※ぺぱぽよを読まない上での感想です)

ここで怒涛のティッシュ大量消費。今もまだ目がしょぼしょぼします……。関係者の空気が険悪になるのも納得ですよ。「こじらせ歴=年齢」の人間つかまえてほじくり倒すのだから。

 

Kさん、迷子さん、3人娘、全員に共感できる。このチョイス、素晴らしい。

 

でもね、まさに今己を客観視しようと試みている人間には、モヤモヤと微妙に先の丸まったたわしでゴシゴシとえぐられるようでした。

 

なんでみんなそんなに話せるの?なんで?どして?

 

どうして斉藤さんはそんなに的確に指摘できるの?その通りだよ。斉藤大地…恐ろしい男!

 

「女の子達よ、よくぞ言ってくれた!」と思う気持ちと、「なんでそんなに素直に認められるの!あなたたちが公にしてしまったら、それをできない自分が猛烈に『ダメ』な存在として浮かび上がってくるじゃない!」と身勝手な気持ちがせめぎあったことを白状します。

 

こじらせに出口はあるのか、むしろ自分で出口を塞いでいるのではないか……。枕に顔をうずめて泣き、また読み進める……その繰り返しでした。この葛藤は感想を書くために2周目読んだ際には感じなかった。自認できない自分を認めたからでしょう。たぶんそんな人たくさんいるはず。

 

震災でこじらせた、というさらりんさんの意見は、この世代独特でとても面白かった。でも「Kさん世代ががんばってくれないと」って意見は、かなり重いなあと思った。85年の男女雇用機会均等法、99年の男女共同参画社会基本法、バブル崩壊による女性労働者の流入を経て、もう何年も経ってるのに、私たちはろくなロールモデルを持てないでいる。トミーさんの述べていることって、「そうなんだろうな」とは思うけど、なんだかピンとこないところもある。ロールモデルなき時代、そこにウェブがあったとして、いったいなにが変わるのだろう。

 

さいごに

「女の子ウェブとは何か」にあった

>「こじらせ女子」特集周りの取材中、社会人や大学の卒業を控えた女の子たちの数名から「私たちはネットをやってばかりで、上の世代にとってのサブカルやオタクのような“文化”がない」という嘆きの声を聞いた。しかし、今号で取材を重ねてきたねとぽよから言えるのは、むしろあなたたちは既に立派な“文化”を手にしているということである。ただ、あなたが手にしているそれを、文化と見なす「視点」と「言葉」が、ほとんど存在していなかっただけなのだ。

ここを読めただけでも、購入した意味があると感じました。私たちweb女子世代、少なくとも私には、今まで自分たちに他世代への影響力があった自覚がない。ウェブサービスって次々と生まれては消えていくから、たとえ振り返っても「あーそんなのあったね」で話が終わってしまって、過去にそれがあった意味とか、進化の過程とか、あまりここまで考えたことがなかった。永遠の通過点みたいな。

でも、私たちがやってきたことが未来へ上書きされていくなかで、それを「おもしろい」と切り取って言葉で整理してとりだしてくれたことに、嬉しさを感じました。ああ、私たちが無意識にやっていたことって、きっと今につながっているんだ。サブカルとかオタクとかって言葉の枠で語られてないけど、新しく視点をつくってくれた。それも興味本位でなく。このねとぽよはそうした見方を教えてくれた。

当時はなんだかわからないままに過ぎ去ってしまった、めまぐるしくも楽しかった黒歴史を、「それはゴミ箱に入れるんじゃなくて、価値があることだからぼくたちに見せてよ!」と言ってくれたことに、恥ずかしさとちょっとの誇らしさを感じた。

この号を読んでいて思ったのは、どうにもここに登場する女の子と重なる部分が多いから、「あなたはどうなの?」とインタビューされている気になる、ということ。同時に、この記事をインタビューズのような承認欲求こじらせツールみたいに消費しちゃうのは、すごくもったいないと自省しました。

 

ネットができることってなんだろう。ネットができないことってなんだろう。

 

よくわからないけど、私ができることとしたら、なんらかのかたちでウェブBLは少なくとも私という女の子を救ってくれた、と伝えること、そしてその救われた場所を、次の世代に渡してあげることかなと思います。いまもこじらせている自覚のある女子として。現在進行形だから、やっぱりロールモデルにはなってあげられないんだけど。

BLって間違いなくこじらせを複雑にするけど、だからこそ得られる居場所ってある。

そのうえで、岡崎京子とか安野モヨコとか、サブカルとか、いっぱいあるんだよって今の小中学生に伝えたい。一人じゃ無理だけど、それでも、表現することを諦めちゃいけないんだなぁと思いました。

だからこのねとぽよは、中学生にも読んでもらいたいなぁ。

きっと今はピンとこないのだろうけど。

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彼女にはお詫びに斉藤大地が鼻セレブをダースで送りますぽよ♥

 

中学生にも読んでほしい『ねとぽよ 女の子ウェブ号』は、ねとぽよショップで絶賛発売中ですぽよ。

 

『ねとぽよ 女の子ウェブ号』紹介ページ

ねとぽよショップはこちら

 

感想書きたいけどブログ持ってない! Twitterじゃ短い! というアツいこじらせ、いや情熱をお持ちの方は、ぜひnetpoyoアットgmail.comまで感想をお送り下さい。待ってますぽよ。

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klov

klov

ウェブメディアでリサーチ/ウェブ解析を担当。ねとぽよではライターやウェブ周りのディレクション。

GoogleやFacebookなどのプラットフォームの話題を追いつつ、日本独自のインターネットについて考えています。

 

 

▼活動履歴▼

2006年~ はてダ「No Hedge!」開設。村民となる。
2007年~ 批評系同人誌「筑波批評」に参加。Webや建築系の批評を寄稿。大二病、進行。
2011年~ 「ねとぽよ」に参加。最初はフリーペーパーにちょっと文章を書くだけだったはずが、いつのまにかウェブメディアを作っていたり。