前半からの勢いは全く止まりません! 種村有菜を筆頭に、CLAMPやプリキュアなど少女漫画と戦闘美少女を辿ります。今もあの頃も、夢を見させてくれたありなっちの座談会、後半です!

※前編はこちら

 

当時の少女漫画事情

ファンタジーのりぼん

 

――りぼん以外にも少女漫画っていろいろあったと思うんだけど、ちゃおとなかよしは、やっぱりりぼんとは違うの?

 

おびわん りぼんが一番洗練されてたイメージがあります。りぼんは都会で、ちゃおは東京だけど郊外な感じ。なかよしは田舎っぽいイメージがあるかも(笑)

もぐもぐ 一番華やかでキラキラして、ファンタジーっぽい少女漫画といえば、りぼん。一番好きだったのは、『ママレード・ボーイ』とか『ミントな僕ら』の吉住渉。矢沢あいは私が読んでるときはリアルタイムではなかったけど、遡って読んだなあ、『天使なんかじゃない』とか。

おびわん とにかく『ケロケロちゃいむ』が好きだった~。あとは『GALS!』とか、地味にあゆかわ華の『やっぱ愛でしょう!』とか好きだった気がする(笑)。あゆかわ華は大人な感じがしてた。

 

ちゃおで目指せ、理想の女の子

f:id:netpoyo:20121214012840j:plain

きらレボは当時の看板作品。アイドルを目指すきらりの姿は、まさにちゃお(2006年4月号)

 

もぐもぐ 今、小学生の中でちゃおが一番人気あるんですよ。

なおりん 私のときにはもう、ちゃおを買ってる子が一番多かったかも。りぼん読んでる子は絶対ちゃおも読んでたし、単純に漫画が好きな子たちだったんじゃないかなあ。もぐもぐさんたちの世代ではどうでしたか?

もぐもぐ 圧倒的にりぼんだったよ!組み立ててつくるよくわからない付録の小物入れとかかぶってた。友達同士で分担して買って、3誌とも回し読みしてました。

なおりん 読者も2,3年で少し変わってるんですね。ちゃお読者の私としては、『Dr.リンに聞いてみて』は結構印象的です。Dr.リンの風水の本買って、部屋のゴミ箱の位置とか枕の向きとか意識してました(笑)

おびわん そういえば、ちゃおって恋愛漫画そんなに多くない印象が。本当にhow to系が多かった感じがする。付録もこだわってたと思う。

 

――全体的に日常っぽいんだ。ちゃおって、「セブンティーン」とかファッション雑誌のプレなんだよね。リアルの女の子にはまだ早いけど、準備しておこうね的ポジション。

 

もぐもぐ 一番ファッションページ多かった気がする。

なおりん りぼんは元から可愛い女の子たちが頑張ってるイメージだけど、ちゃおは、可愛くない子が可愛くなるような漫画が多くて。『エンジェルリップ』は女の子がメイクを覚えていくし、『シンデレラコレクション』はメガネっ子がメゾピアノとか可愛い服を着るようになる漫画で。このへんは、すっごいちゃおっぽかった。

 

魔法少女の先駆者、なかよし

――なかよしで掲載されてた漫画は、たとえば『だぁ!だぁ!だぁ!』、『ゴーストハント』とか。あとは『おジャ魔女どれみ』、『東京ミュウミュウ』もあったね。どういうイメージ?

 

おびわん なかよしは……全体的に地味(笑)。自分の中のイメージでは、ファッション誌でいうと『non-no』って感じ。

もぐもぐ こうやって聞くと、魔法少女系多いのかな? 『怪盗セイント・テール』も、なかよしだったね。まぁさくらちゃんだなー!でも漫画のイメージよりアニメの方が強いかもしれない。

なおりん なかよしって、他と比べてアニメになった漫画が多いと思うんですよね。売れた漫画も単行本になってから流行ってたりして。私は、なかよしに掲載されてる漫画は、後追いで読んだり見たりしてました。なかよしを買って読むことはなかったなー。『カードキャプターさくら』も単行本で読んでるし、おジャ魔女も東京ミュウミュウもアニメだし。

おびわん 『ミラクル☆ガールズ』のハンカチ使ってた記憶ある。『レイアース』ごっこもしたりしてたな。あとは父親と一緒に『アキハバラ電脳組』にハマってたことあるけど、あれもなかよしで連載してたと思う。カッコイイ駅名に惚れてた(笑)。『あずきちゃん』とかもアニメよくみてたし。

 

ファンタジーから目覚めて

女の子の分岐点はここに

 

——座談会の前半で、もぐもぐが「周りの子が少女漫画から離れた」って言ってたよね。りぼんの次はどこに行ったの?

 

もぐもぐ りぼんから離れただけで、漫画は読んでたんですよねー。でも少年漫画に寄り始めちゃった。わたしは別マとか別フレとか花ゆめとか読んでた方だけど、やっぱり主力はジャンプ系ですよね。

おびわん 当時はギャルが残っていて、ファッション誌とは別に、漫画だったら『ライフ』とかを読むギャル系の女の子と、しがの夷織の『そんな声出しちゃイヤ!』とか、ちょいエロの少女コミックとか少年漫画をみんなで回し読みする腐女子寄りの女の子。この2パターンに上手く振り分けられたかも。しがの夷織とかを読んでる子たちはオタクっぽかったり、自分でイラスト描いたりしてた。かくいう私はどっちも好きでしたけど、後者はネタマンガですね。

もぐもぐ 新條まゆも、しがの夷織に近い。『快感♡フレーズ』を先生に没収されたけど、返してもらうの恥ずかしい……みたいな(笑)。あれは伝説ですよ、とりあえず読む。

おびわん 女の子が読まなきゃいけない最初のエロかもね。「快フレ」って言えばみんな「あ~w」みたいな。

もぐもぐ 『罪に濡れたふたり』とかも読んだ。確かに少コミは周りもそれなりに読んでたかもなー、エロいからあんまりおおっぴらにしたくないけど(笑)。そしてリアリティも別にないっていう…。

おびわん でも自分じゃ買いたくなかったから、友達の少コミをクラスで回したりしてね〜。

もぐもぐ すごいわかる!

 

リアルの自分を見つめて

 

もぐもぐ 中学の頃、クラスで回し読みする対象は「セブンティーン」だった。わたしも中学入って買い始めて、そこからファッション雑誌に意識がいったかも。小学校高学年ぐらいから、早熟な子たちは「ピチレモン」とか「ニコラ」を読むようになって、ファッションに興味が移ってたんですよね。ちょうど109系ブランドの子ども学生向けラインが全盛だった頃です。その時はまだ私は教室の隅で、りぼんのコミックスを交換してたけど(笑)

 

――雑誌は何買ってた?

 

もぐもぐ・おびわん 「セブンティーン」。

なおりん 「Hana*chu→」買ってました。

もぐもぐ・おびわん (笑)

もぐもぐ やばい、めっちゃなつかしい!あったねえ!私たちの少し年下の子がドンピシャだよね、創刊もその頃だもんなあ(注:2003年)。誌面がキャピキャピしてて若い!ってびっくりした。立ち読みはしてたけど買わなかったなあ。セブンティーンは結構きれいめだったもんね。制服のスナップが多かった気がする。私服じゃなくてあくまで学校でイケてる女子を目指す、って感じだったよね。実際自分の友達や先輩が誌面に載ってて「今月あの子載ってるらしいよー」「おー、帰りにコンビニで見とく」みたいな会話してたもん。

 

f:id:netpoyo:20121214012914j:plain

服装はもちろん、デコ携帯や恋愛など教室の話題は全てモーラされたJC専用雑誌(2006年5月号)

 

なおりん 「ニコラ」、「ピチレモン」って中学生が読むにはちょっと幼くて、でも「POPTEEN」とか他の雑誌も少し大人っぽすぎて、背伸びしないと着れない(笑)。ハナチューは中学生をターゲットにしてて、ギャルっぽくってよかった。ブレザーの着こなし特集とか毎回載ってるんですけど、私は校則が厳しい学校で、しかもセーラー服だったんですよ。それでも、だてメガネかけて、スカート短くして、だらだらのセーター着たりして調子乗ってました。おかげで先輩とか先生から目つけられたけど(笑)

もぐもぐ ファッション誌は、現実の自分にどう反映するかだったよね。この色のカーディガンほしいなー、とか生活に直結してた。りぼんとか少女漫画は完全にファンタジーだったよね。本当に別物だった。

 

「戦闘美少女」になりたい!

私だって戦闘美少女

 

――個人的に興味があるんだけど、ジャンヌって戦闘美少女じゃん。男にも戦闘美少女の系譜があるんだけど、女の子にとってはどうなんだろう?

 

f:id:netpoyo:20121214013010j:plain

「月にかわってお仕置きよ」と言いながら タキシード仮面に憧れたあの頃にもう一度(美少女戦士セーラームーンDVDBOX The MOVIE)

 

おびわん 私は、セーラームーンになりたいから、中学受験してセーラームーンのモデルになった学校に入ったんですよ。麻布十番と広尾のそばにある学校で、制服は本当にセーラームーンと一緒で。うさぎちゃんかビーナスになりたくて、おばあちゃんにかつら作ってもらったりした(笑)

仲間と友情もあって、学校行く時に『行ってきます(ドテッ)』ってなっちゃう、月野うさぎの日常は実存面が見えて、親近感あったなー。あと、レイちゃんの真似して「悪霊退散のお札」みたいなのを家でよく作った。

 

――なりたがる子はいるわけね。でも、どっかで戦闘美少女に挫折しない(笑)?

 

おびわん 挫折?……何ですか、それ。挫折なんてしてませんよ(笑)! 私は受験に受かって制服を着たことで「セーラームーンになれた」んで、一応夢はかなってるんです。なんで、今は余生ですね。実は制服だけじゃなくて、オープンキャンパスで食べたその学校の食堂のラーメンが美味しくて願書出したんです。そんなとこも、うさぎちゃんぽいなぁ☆てへぺろ、みたいな勢いで今に至ってますので。ずっと成熟しない「少女脳」なので挫折しません。

一同  (笑)

なおりん コスプレはしないんですか?

おびわん マクロスのランカとか、エヴァのアスカとかは何度かちょろっと。あとは福本伸行のTシャツとかを私服にしてたり。でも、セーラームーンは憧れが強くてまだできないんだよね。セーラームーンは合わせでやりたいから、全員そろったらすぐにやりたい。私の中で、戦闘美少女が一人って、あり得ないので、仲間と一緒に“変身”することで、身も心も”翻身”するというかですね……。

もぐもぐ 私あみちゃんが好きだったので、朝はクロワッサンを食べてましたね…髪も青くできないし天才にもなれないしもちろん変身もできないし、まぁじゃあ出来る範囲で外から真似しようと思って。でもそれ幼稚園とかじゃないかな。かなり熱量の高い幼児ですよね(笑)。わたしはコスプレにはいかなかったけど、真似するなんて恐れ多くて無理!!って思い続けてる気がするよ。

なおりん 『カードキャプターさくら』のさくらちゃんになりたかったです。ローラースケートも練習したし、杖も買ったし……何度もコスプレを買おうと思った(笑)

 

CLAMPと種村有菜

 

――同じ時代の漫画として、さくらとの対比って大事だと思うの。なおりんはさくらになりたかったみたいだけど、ジャンヌにはなりたかった?

 

f:id:netpoyo:20121214013032j:plain

CLAMPらしい淡い色使いに華やかな服装が丁寧に書き込まれていたのが印象的

なおりん あんまり思ったことないですね。ジャンヌは設定があまりにぶっ飛びすぎてて、たぶんなろうとしたところで、絶対なれなかったと思う。

おびわん だって、高校生で一人暮らししてるんだよね。で、マンションにイケメンが来てさー。「うーん、あるある……ねーよ!!!」っていう、だってやらしいじゃん。意味わかんないよね(笑)!

なおりん それに比べたら、さくらはパンくわえて走ったり、学校での様子とか見えるし、親近感があるかなー。個人的には、あの衣装を着たいっていうのが一番大きい。表紙絵のふわふわひらひらなさくらちゃんは、本当に「はにゃ~ん」です。超可愛い。

もぐもぐ さくらちゃんの衣装はほんとに可愛かったよねー。ジャンプしたりするとふわっとふくらんで。アニメでの色使いがすごく印象的。しかも戦闘の度に毎回違うんだよね、見ててずっと楽しかった。友達の女の子が衣装をプロデュースしてるっていう設定だから「さくらちゃんやっぱりかわいい!!」っていう心の声を彼女が作品の中で代弁してくれるのもよかった。さくらちゃんの衣装をまとめたサイトとか、今もあるよ。

 

――『カードキャプターさくら』の衣装はロリータっぽいけど、種村有菜は、原宿系に近いのかな。どっちかっていうとパンキッシュだよね?

 

おびわん ありなっちの衣装って、ヴィジュアル系好きになっちゃうような女の子と近しい感受性で。チャックをつけたり、つなぎ目多くしたり……。

なおりん たしかに、リアルで着たい服とは違うかも。

おびわん コスプレイヤーの中でも種村作品のレイヤーってあんまり見ない気がする。もちろんジャンヌ×シンドバッドの合わせとかは探せばいるんだけど、大きいイベント会場ではあまり見かけたことがない。

もぐもぐ ドイツのアニメフェスかなんかの写真でコスプレイヤーの人見たよ!数ある日本のアニメキャラの中でジャンヌちゃん…!って謎の親近感でした。

おびわん さくらは、現実の女の子に近い。でも、種村作品は現実と離れすぎてる感じがあるなあ。

 

戦闘美少女が消えた

もぐもぐ いつのまにか主流は等身大恋愛ものになった気はする。戦闘美少女系あんまり見ないね。りぼんでも今はあんまりないんじゃないかな。

おびわん 戦闘美少女モノは比較的幼児向け作品と深夜アニメに限定されている気がする。もちろん児童向け作品も「大きなお友だち」向けにクオリティ高くしているものも多いけど、やっぱり少女漫画の領域に、戦闘美少女のイメージはあんまり無いなぁ。『プリキュア』とか「なのは」「まどか」のイメージが先に浮かんで来ちゃう。

なおりん 最近の戦闘美少女といえば、アニメだけど、プリキュアですかね。小学生の女の子向けのアニメだと思ってたから、途中から見なくなっちゃったけど……最近またキテるらしいですね。ちょっとびっくりしました。

もぐもぐ 最近のやつすごいよ。作画がヤバすぎて、日曜の朝からくらくらする(笑)。今のちっちゃい子はこんなの見て目が肥えてしまう、って心配になるよ! オトナになってからプリキュアとかにまた改めてときめけるようになったなー、中高生の頃はなんとなくそういう方向に興味失ってた。榮倉奈々ちゃんにときめいてたからね……。

 

——戦闘美少女が、少女漫画からなくなっていったのね。「プリキュアになりたい」って言う女性が目立つようになったのは、最近になってからなのかな。

 

おびわん えっ。『ふたりはプリキュア』のときだから……高校生の頃の話だけど、私なんかは家でプリキュアのお面かぶってましたよ。ほのかちゃんが欲しかったのに、祭りで当たったのがなぎさだった。

もぐもぐ 家で被ってどうしてたの?

おびわん 廊下を走ってましたね。

一同  (笑)

f:id:netpoyo:20121214013055j:plain

今や年齢性別を問わず大ヒット中のスマイルプリキュア

 

 

種村有菜への思い

憧れのありなっちのままで

 

――最後に、みなさんから種村有菜に期待を込めて一言ください。

 

なおりん 闘う女の子を絶やさないでほしいです、とにかく。「こんな風に強くて可愛い女の子になりたい!」と思える対象がなくなったら困る(笑)

もぐもぐ りぼんを卒業して、このあとどういう方向にいくのか超楽しみです。個人的には日常系っぽい漫画は描かないでほしい。オフィスラブとかありなっちのイメージとは結びつかないもん(笑)。ありなっちには、ファンタジー、いい意味で地に足のついてない漫画をいっぱいつくってほしいです。ハリーポッターみたいな魔法系とかも面白そう。

おびわん すごい個人の趣味に走ると、古代文明系のエジプトの作品とか、アステカ帝国の世界とかをありなっち風にしたものが見たい!

私たちが、少女漫画家としてのありなっちのプロ意識の高さに圧倒され続けてるのって、分かりやすく言えば、『テニスの王子様』とかに近いのかもしれないなー。そこまでやれば誰も何も言えないし、りぼんでも、誰も種村有菜には勝てないのを分かってる、みたいな。ずっと変わらず、私たちに夢を見させてほしいですね。

 

――今回はみなさんありがとうございました!

 

 

上の三人も制作に参加している『ねとぽよ 女の子ウェブ号』は、ねとぽよショップで発売中です。種村有菜直撃世代の女の子で、ネットが好きだった方には、きっと楽しんでいただけると思います。

 

f:id:netpoyo:20121117125443j:plain

 

『ねとぽよ 女の子ウェブ号』紹介ページ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加