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 いよいよ「朝まで生ソシャゲFINAL」の開催が迫ってきました。19日深夜24時から新宿ロフトプラスワンで行います。興味のある方は、是非お立ち寄り下さい。

 

 

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 さて、イベントを直前に控えて、ねとぽよでは登壇メンバーの1人・GiGiさん(@gigir)にインタビューをしてきました。彼は、ソシャゲを1000本以上プレイしている猛者であり、昨年の4月に開催した「朝まで生ソシャゲ」にも参加していただきました。一般のヘビーユーザーという立場で登壇しながら、ソーシャルゲームは当然のこととして、あらゆるオタク界隈の話題に全方位で圧倒的な教養と知性を披露する姿は、壇上で鮮烈な印象を残しました。

 そして今年――GiGiさんは「中の人」という立場になっています。一体、この一年でGiGiさんに起こった変化とは何なのでしょうか?
 その他、ネットでもつとに有名な鋭い考察力は如何にして培われたのか、そして現在のソシャゲ業界をどう見ているのか。気になることを尋ねています。イベントの”予習”にもバッチリです。

 

朝まで生ソシャゲ――その後。

 

――昨年の「ソシャゲ朝生」の時、実は無職だったんですよね。

 ええ。地方住みの無職でした。正直なところ、あの登壇で「俺、実は東京でやっていけるんじゃないかな」と思ったのはあります。

 あのイベントでの上京がきっかけとなって、東京のギークハウスを紹介されたんです。家賃4万5千円、みたいな場所ですね。そこで、4月末に東京に移ることを決めて、職探しを始めました。行きたい会社をピックアップして順番に受けた結果、大体2週間くらいで今の職場に決まりました。

 

――それが、現在のソシャゲ運営会社ですよね。業界経験はあったんですか?

 ないです。

 

――大学時代に、ゲーム業界に行こうと就活していたとか?

 いえ、僕は大学を中退してるんです。もちろん、ゲーマーだからゲーム業界に行きたいなと思ったことはありましたよ。でも、その時代には、もう学歴が大事になっていて、僕のようにドロップアウトした人間を受け入れる業界では、なくなっていたんです。

 

――では、何をされていたんですか?

 その後は、コンビニの店長をやっていました。バイト時代とあわせて10年くらいコンビニ勤務ですね。

 

――IT業界ですらない(笑)。全くの未経験じゃないですか。やはりプレイヤーとしての経歴を押したのですか?

 履歴書に「これまでプレイしたソーシャルゲームのタイトル」を書く欄があったので、全部ずらーっと縦に書きだしました(笑)

 一般のゲーム業界だと、新卒・経験者重視など採用制度はガチガチなんですが、この業界であればワンチャンあると思って、狙いました。

 

 「企画がいけるかいけないかの判断には自信がありますよ」

 

――でも、失礼な言い方ですけど、そんな人が入社しても仕事なんて降ってこないんじゃないですか?

 最初の数ヶ月は右も左もわからなくて雑用みたいなことをしてましたが、見よう見まねで書いたイベント企画を採用してもらって、それが思いの外ヒットしまして、売上がガッと上がりました。それ以降は、企画一本でやらせてもらってます。

 ただ、企画を通すのは毎回苦労します。どう面白いのかイメージさせる必要がありますからね。前例があると説明しやすいので、先にアイデアを思いついてから、過去の似たような事例を探したりします。

 

――ゲーマーとしての実績がそこで活きるわけですね(笑)。運営側になって何か変化はありましたか。

 特に視点は変わらないですね。ユーザーの求めるものを作るだけです。

 

――「中の人」としての現状を教えてください。

 所属チームは10人未満で、規模としては小さいのですが、タイトルは中々好調です。周りはゲーム業界の転職者が多くて、その中で自分は「ユーザー視点」を売りにしています。その企画がいけるかいけないかの判断には自信がありますよ。

 

――ゲーム業界転職者の人はGiGiさんから見てどうですか?

 プロデューサーまで行った人は、ユーザーが見えていますね。学ぶことも多いです。

 

「一晩で万札溶かした経験もないガキが、何言ってんだって話だよね(笑)」

 

――昔からゲームは好きだったんでしょうか。また、学生時代のことを教えてください。

 元々はゲーマーなんですよ。一通りのタイトルをさわっています。大学時代はセガワールドでバイトもしていました。仕事上がりは仲間たちと、50インチモニターでバーチャファイターを延々と……という生活です

 

――アーケードの時代を体験してるんですね。あの時代を知ってる人のソシャゲの課金に対する感覚は、結構違うんですよね。

 一晩で万札溶かした経験もないガキが、何言ってんだって話だよね(笑)

 その頃はアーケードだけじゃなくてMagic: The Gatheringにもはまっていたんですが、あっちはもっとひどかった。並行輸入でカード買うんですけど、クレジット限度額まで使っちゃって”カード破産”とか冗談で言ってましたね(笑)

 

――(笑)。確か、漫研という話を聞きました。

 ずっとゲームばかりしてたので、漫研に入ったのは大学3年の時でした。ここの影響も大きいですね。実は、漫研時代に知り合った大変に凄い先輩がいて、彼とジャンプ・サンデー・マガジン・チャンピオンの、主要少年マンガ4誌の「定点観測」をする会話を、もう10数年毎週続けているんです。これが、僕の基礎体力です。

 

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※ GiGiさんのブログ「未来私考」では、ソシャゲや漫画など、さまざまなテーマで記事が書かれています。

 

――ソシャゲに興味をもったきっかけは何だったんですか。

 Twitterで、ニコニコ動画のアイマスクラスタと仲が良かったんです。2009年に、そこで『モブストライク(モブスト)』という海外のゲームが流行っていて、これは新しいなと思いました。日本は乗り遅れていないか、やばくないかと思っていたら『怪盗ロワイヤル』がヒットして、「やばくなんてなかった、むしろ凄い」と。

 

――新しいと感じたポイントは何だったんですか。

 単純に、遊ぶ場所や時間を問わない上、他のプレイヤーとやりとりができることですよ。「これはハマる」と思いました。

 

――でも、大抵のゲーマーは、ソーシャルゲームには冷淡ですよね。「ゲーム性」が云々とか。

 ゲームには、ゲーム内にストーリーがあるものと、ゲーム外のプレイヤーにストーリーが生まれるものの二通りがあるんです。その認識があったので、僕は問題なく受け入れましたね。

 

「にゃんこ大戦争にはガチャ以外のほとんどすべてが入っている」

 

――現在、もっとも注目してるタイトルを教えてください。

 断然、ポノスの「にゃんこ大戦争」です。何の変哲もなく決して大作ではないのですが、とてもよくできています。オーソドックスなシステムで、ガチャを使っていなくて、エンディングもある。このゆるいゲームが月1億円を売り上げているのは、大変に価値のあることです。「ドラゴンコレクション」のガチャ、パズドラのコンティニューというような課金手法ばかりが取り沙汰されますが、F2Pの手法はもっと多様です。にゃんこ大戦争にはガチャ以外のほとんどすべてが入っているので研究対象としてもおすすめです。

 

――アツいですね。ところで、パズドラへの見解を伺いたいのですが。

「みんなが新しいと思った」ことが一番新しいポイントです。あとは、とにかく隙がないですね。曜日ダンジョンや週末ダンジョンなど、生活習慣にゲームを組み込んだ点も大事です。これはずっとやるべきだと言われていましたが、本格的に取り組んだのはパズドラが初めてじゃないでしょうか。

 実は、モンスターの育成周りは人によっては挫折するレベルの厳しさなんですが、それも逆に良かったですね。弱点になりえた難易度の高さ部分が、プレイヤーのコミュニケーションを生んでいる。超えるべき壁があってちゃんとプレイすれば乗り越えられるというレベルデザインも優れています。

 正直に言って、CMを打ちだした時は収穫期に入ったのかなと思っていました。一気に人が集まると、引くタイミングも一気に来ますから。ところがそれ以降も、予想以上に伸び続けている。最近はブランディングにも力を入れてきていて、いったいどこまで行くのか想像がつきませんね。

 

――やはり、業界内でも圧倒的な存在なんでしょうか?

 完全に手の届かない範囲に行ってしまいましたね。冗談で「打倒パズドラ(笑)」とか言ったりはしますが。

 下の2位が、実質的な1位になっています。今はそこを、『拡散性ミリオンアーサー(ミリアサ)』と『LINE POP』が争っていますが、ここになら割って入れるのではないかと思っています。

 

――ミリアサは「運営にユーザー視点が欠けている」とよく話題になります。

「運営に文句を言うところまでがゲーム」なんですよ。『ファイナルファンタジー11』や『ラグナロクオンライン』も散々言われてきました。本当に愛想を尽かされたら、話題にもならないです。

 

――パズドラを模倣する作品が数多くでていますが。

 それも、ゲームの歴史で繰り返されてきたことです。インベーダーにしてもスト2にしても、ヒット作を真似たタイトルは常に出て来ました。ただ流行っているから出したような、特に考えていない作品も少なくなかったですよ。

でも、例えば昨年、パズル部分をポーカーに置き換えたゲームがいくつもでましたが、全く話題になっていませんよね。そういうことです。

 

――そういえば、セガの『ドラゴンコインズ』が一時注目されていましたね。

 セガはゲーセンの発想がまだ強いですね。

「コインドーザー」はセガワールド時代のことを思い出します。もう20年くらい前になりますが、香港からの観光客が多くて、メダルの代わりに100円玉を入れていくんですよ。筐体の中に結構小銭が入ってたりして「お金持ってるなぁ」と(笑)。

 

――(笑)

 ドラゴンコインズは確かに面白いんですが、ゲーセンの発想に引っ張られて上手くいっていない部分があるように感じますね。スマホのゲームは時間に急かされるタイプはあんまり向いてないんですよ。

 あと、コインドーザーといえばギミックとして台揺らしを入れたくなるところなんですが、それはモラル的にできなかったんですかね。 実際のゲーセンではやっちゃダメだけどスマホならできるとか(笑)、もしドラコイを真似するゲームがでてきたら、是非やってみてほしいですね。

 

「もう一回シンプルなものに遡ったことで多様化が進んでいる」

 

――コンシューマーゲームが複雑化した後に、シンプルなソシャゲが台頭したことについてどう感じていますか?

 単純に、凄く嬉しいです。製作に何億円かかったとか、プレイヤーには関係ないんですよね。もう一回シンプルなものに遡ったことで、多様化が進んでいる。

 あとは、デバイスの変化も重要ですよね。ガラケー時代はボタンをポチポチクリックすること自体に気持ちよさがあったんですが、タッチパネルになってその気持ちよさがなくなると、操作系そのものを工夫する必要がでてきます。タッチパネルならではの気持ちよさ……例えば、スワイプ操作を上手く取り入れられるかどうかが、今後の鍵になるんじゃないでしょうか。ソシャゲも含めて、そういった環境の変化がゲームを発展させていると考えています。

 

――コンシューマーの新規タイトルで目立ったものが少ないことについては?

 DS以降のゲーム市場の流れがそうなんです。DSやWiiもデバイスの変化でゲームの定義を拡大しましたよね。今のソシャゲ隆盛は任天堂がフェーズを変えてくれたからこそだと思っています。発売前のバリューが高いタイトルばかりが売れる状況よりも、発売後に人気に火がついたタイトルが長く売れ続ける今の方が健全に思いますね。

 

――今後のソシャゲ業界はどうなっていくと思いますか。

 どの会社も浮き沈みはあるでしょうけど、トータルではまだまだ伸びていくと思っています。今は、ガチャじゃなくても売上は出るじゃんという共通認識ができつつあります。ガチャは柱の一つではあるけど、使わなくてもいい。たくさんある収益化の手法の中から、そのゲームに一番あった方法が何かを考えていけばいいんです。

 例えば、先ほども話題にしたにゃんこ大戦争は、ガチャを用いず、それ以外の方法で実際に成功しているわけです。これくらい小規模でそれほど制作費をかけなくても、月商1億円以上のゲームが作れる。一番夢がありますよね。

 売上の話ばかりしてしまいますが、やっぱりちゃんと儲けないとダメなんです。儲からなければ、タイトーやハドソンのように、かつて一時代を築いたメーカーでも消えてしまう。それは寂しいですから。

 

「あの空間自体が面白かったですね」

 

――前回の「朝まで生ソシャゲ」に参加した感想をお願いします。

 個人的に人生の転機となったイベントでもありましたし、思い出深いです。あと、あの空間自体が面白かったですね(笑)

 

――最後に、イベントへの意気込みをお願いします。

 にゃんこ大戦争の成功が、今回話したい一番のトピックです。大ヒット作の模倣でなくても、ちゃんと考えて丁寧に作ればこんなに売り上がる。こういうタイトルが無数に生まれる可能性があるということを知ってほしいですね。

例えば、パズドラが月商100億円売り上げても、正直どうでもいいんです(笑)。それよりも10人3ヶ月で制作したゲームが月商1億円売り上げる、そういうタイトルがたくさんある方がずっと良いと思いませんか? 世界を面白くするには多様性があってこそです。

それさえ忘れなければ、”ソーシャル”の有無に限らず、”ゲーム”はこれからも、もっと面白くなりますよ!

――ありがとうございました!

(了)

 

今回の記事は、以下の「りあぽよ」イベント直前キャンペーンとして執筆されています。興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンク先から、参加を申し込んで下さい(当日券もあります)↓

★☆ねとぽよ独自イベント「りあぽよ」のお知らせ☆★

コンプガチャ後のソシャゲの未来を占う! 「朝まで生ソシャゲFINAL」開催!
2013年4月19日(金)24時~@新宿ロフトプラスワン
詳細はこちら

 

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kk

kk

ライター。漫画と映画と賭け事が好きです。ねとらぼもよろしくお願いします。

 

▼活動履歴▼

2004年 はてな民になる
2005年 あずまん読者になる
2007年 ニコ動と2chに課金。ポーカーも教わる
2010年 ニコ生にはまる
2011年 ねとぽよに参加。主にソシャゲ系の記事書いてます