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ほらきたよ。

 

寺の向こう側から聞こえる足音。

こてん、こてん、と慎重なリズム。踵を少し引きずってる。

寺に張り込むこと、何時間?

 

今までにここを通ったのは

ニワトリ

白猫

蝶々、とそれを追う子供

ガマの油を売る商人。

 

動物ばっかりじゃん。

 

 

でも来たよ

 

 

 

寺の裏に隠れて生唾を飲む。

 

・放火は二日毎に起きてる

・時刻は大体午後四時ごろ

・場所は北を起点に、反時計回り

 

次の放火はまさに今日。

ここで待ち伏せすれば犯人が現れるはずだ。

 

わたくしの推理が正しいとすればですね、犯人は、

・午後四時には仕事を終えている

・なんかよくわからんけど怪しい地図を持っている

 

 

恭之介先生。

 

 

でしょ?

 

 

 

ほら。

本日、放火される(予定)の寺の前に現れた男は、編み笠で顔を隠していたけれど

間違いなく恭之介だった。

彼は玄関前でしゃがみこむ。

 

放火の瞬間?

片足草履の謎が今解ける!?

 

見逃すもんか……っ!!!

 

目を見開き壁に手をつき向こうを覗け…… ば、

 

 

目、あった。

 

 

こんにちは、と平和に挨拶してもいられない。

黙っていたら、恭之介がゆっくり近づいてきた。

 

こ、これは……捕まえるっきゃない!!

背中に隠してたフライパンを強く握る。

これで殴れば……っ!!

 

と振りかざした瞬間、

先生は手刀であたしの手首を叩き、フライパンを落とす。

足首を蹴られ、体が宙に浮いた。お尻から倒れこむ。

逃げられない。

 

(犯人だってバレちゃあ……ただじゃすまないよ……)

 

(だ……誰にも言いませんから……!※敗北)

 

……みたいな微エロ展開になることもなく

 

先生は着々と手ぬぐいであたしの両手首を拘束。

淡々と作業を進め、第一声にこう言い放った。

 

「君が犯人だったんだ」

 

……犯人は先生でしょ?

 

向こうから足音がもう一つ。

ちょっと、何やってるの! と焦る声。

鞠貢だった。

 

あたしを縛る手ぬぐいをほどこうとしてる

彼の肩には麻縄の束が!!!

それで縛る気?

亀甲とかそういう?(それしか知らん)

 

鞠貢は解いた手ぬぐいを恭之介に戻すと、

クルミちゃんは犯人じゃないよ、と恭之介の顔を見上げた。

「でもこの子、まんまとここに現れて」

 

何だ、喧嘩か? と低い声がした。

火消の辰徳だ。

 

彼も麻縄を!!!

激しい土埃があがり、全員が目を伏せた。

 

この隙に逃げるフラグ……

 

砂埃が目に入る。

 

……ばきっ(フラグの折れる音)

 

「手習い所にいるはずじゃなかったのか?」

ダチョウにまたがった朝里ちゃんがトンと片足で地面に着地した。

とっさに、

片足草履の放火魔=片足だけダチョウの鐙に乗せた朝里ちゃん。

という自分の推理を思い起こす。

 

あのね

どんなに厚底の下駄だからって、地面凹むほど重くないよ?

女の子だよ?

朝里ちゃんは倒れているあたしを見下し、

次に鞠貢、恭之介、辰徳をぐるり見渡した。

そうだお前、朝里ちゃんの友達の……と辰徳は慌てた様子で「見逃してやれ!」と答えた。

 

それはありがたいけど、犯人じゃないんだってば!!

はァ。と妙に艶っぽい溜息が聞こえた。

辰徳と朝里ちゃんが眉間にシワを寄せる。

 

「せっかくきれいな紫陽花を見に来たのにさァ、騒がしいや。ごめんね」

水茶屋の女の子を連れた乱十郎が、目にかかる前髪を軽く指で払いながら、

「みんな集まって、仲良しだねェ。何のお遊戯?」とけだるげに喋る。

連れの女の子が、かごめかごめですかぁ~? と笑った。

 

うずくまってる女(※あたし)

それを取り囲む男三人、

朝里ちゃんとダチョウ。

かごめかごめ、に見えます??

 

かごめかごめ

 

「例の件、追ってたんだけど、鞠貢がこの子は違うっていうんだ」

恭之介が説明すると、乱十郎は、彼に背を向けた。

女の子の肩に触れ、デートの続きはまた今度、君と静かに過ごせる場所を探しておくね、と微笑んで彼女を帰した。それで納得する女の子が哀れだ。

例の件ねェ、と乱十郎は嘯く。

乱十郎=嘘ついてる=犯人!?

の推理を思い出す。

怪しいヤツばっかりなのに、なんでみんなあたしを疑う??????

鞠貢が、頑なに反対してくれたおかげで、どこも縛られることなく、鞠貢の寺(仮)に連行された。

ぞろぞろと敷居をまたげば、箒を担いだコーイチが驚いた顔で後ずさった。

「どうしたんです、みんなで集まって! 食材、そんなに用意してませんからね!」

と戸惑うコーイチに、鞠貢が「広い部屋開けて。会議するから」と言えば、コーイチも表情を引き締めた。

 

か い ぎ !

 

六畳の畳の上で、六人が丸くなる。

またしてもあたしは真ん中で、かごめかごめ状態

ひえーん。

 

 

 

 

(明日に続く →第一幕(九)を読む

 

 

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