ガラケーとスマフォの違いといえば、アプリとiモード、タッチパネルとボタン、通信速度など様々な特徴がありますが、真面目に論じられているものが少ない印象があります。私自身、大学でレポートを書こうとしたとき、参考文献がなくて困ったりしました。

 いま19歳の私は、ガラケーメールのヘビーユーザーだったので、メールに関してはよく分かっているつもりでいますが、LINEのエクストリームユーザーは自分たちの世代ではないという自覚があります。ねっとぽよくとのLINEは業務連絡ばかりですし、友達との連絡もLINEが一番楽だから、という消極的な理由で選んでいるだけです。

 

 今どきのJKは、どうやってLINEを使っているのだろう――

 

 ということで、11月15日の16時ごろのイルミネーション輝く渋谷に足を運びました。女子高生という、日本で最もコミュニケーションに力を注いでいるみなさんに、LINEの使い方に関するインタビューをしてきました。

 

クリスマスのイルミネーションが輝く渋谷センター街前

 

 インタビューに答えてくれたのは、高1から高3までの全6組のべ14人。LINEいじめの実態、JKたちのグループチャットの使い方、暇LINEとは何なのか。また、最近のナンパの仕方が「メアド何?」から「LINEのID教えて」に変わっているなど、JKのリアルな声を集めました。黒髪清楚系からギャル系JKまで、わいわいお話してきました。うらやましいでしょ。

 

LINEいじめは本当に存在するのか?

 まず私が興味を持っていたことは、「LINEいじめ」です。少し前まで、ニュースや新聞で連日報道されていましたね。しかし、女子高生に「LINEいじめって本当にあるの?」と聞いてみたところ、ほとんどの子たちから「ないです」と返されてしまいました。中には「ねーよw」とキレだすギャルもいたほどです。

 唯一「自分たちの間であった」と答えてくれたのは、大人しそうな雰囲気の高一の四人組でした。その子たちによると、

 

「喧嘩をきっかけに、仲のいい人だけで作ったグループチャットから退会させてしまったことはあります……。でも、ただの喧嘩みたいなもので、いじめではないです」(高一)

 

 自分の記憶の中で、いじめ(っぽいもの)が起きた時期というと、新しいコミュニティーを作っていく中一の頃だったので、彼女たちも環境の変化が影響したのだろうと思います。私たちの世代で、いじめのツールに使われていたのは、匿名掲示板での誹謗、中傷です。LINEいじめも匿名掲示板でのいじめも、どこか似ている部分があるように感じました。思春期の子供たちが集まると、リアルでもネットでも、起きがちなことなのかもしれません。

 ただ、今までのネットいじめと比べて、クローズドなコミュニティの中で行われているのが、LINEいじめの特徴だと思います。それは、LINEのグループチャット機能が、リアルなコミュニティのメンバーをよりいっそう可視化することに関係しているのでしょう。

 

現役JKのグループチャットの使い方

 次に印象的だった話は、グループチャットについてです。インタビューした女子高生たちの多くは、いつも一緒にいるメンバーではもちろん、遊びにいくメンバーごとにグルチャを作ると教えてくれました。中には、130個以上(!)ものグルチャを作っている子もいました。そのグルチャで送り合っている内容は、明日の提出物の相談から、遊びにいったときの写真の共有まで、さまざまな使い方がされていました。中には、友達の誕生日にグルチャを作ってみんなでメッセージを書き込んだという子もいました。いい話。

 また、クラス全体のグルチャを作っている子も多くいました。

 

「本当は、学校に携帯を持ち込んでは行けないんですけど、遅刻の連絡をクラスのグルチャに飛ばしてくる子がいて、みんなLINEを見ていることがバレてはいけないので誰も先生に言えなかったです」(高一)

 

 そういえば、自分の高校時代にも早退した子が、mixiで「インフルエンザだった」とつぶやいていたけど誰も言えなかったこと、あったな。

 また、「暇なときにグルチャを使う」という子は、ほぼ全員といっていいほどでした。ガラケー時代のメールは、一対一のコミュニケーションが前提だったので、「暇〜」と連絡できるのはかなり親密な相手に限られていました。友達にはできないけど、親友にならまぁいいかな、という感覚。でも、グルチャのように多数に向かって投げるのなら重くならないし、気を使わないで済みますよね。

 インタビューした女子高生の間では、テキストで「暇〜」と送ったあと、既読がついているのに返事がないときはスタンプを連打する、というテンプレがあるようです。既読自体がスタンプとして機能しているようで、面白いですね。

 

「暇なときは音声メッセージを送ります」

 そして、このインタビューで一番驚いたことですが、なんと、彼女たちのLINEでの連絡方法はテキストだけではありません。スタンプだけでもありません。

 

「文字を打つのが面倒なときに、音声メッセージを送ります。突然面白い一言を思いついたときとかにも、送りまくったりします。音声メッセージで返事が返ってくるか、大した内容じゃないので既読無視されるかのどちらかです(笑)」(高三)

 

スクリーンショット 2013-12-05 21.19.03

LINEの音声メッセージは意外と簡単に送れます!

 

 音声メッセージなんて使ったことないよ……!!!!

 

 もしかしたら、コミュニティによって差はあるかもしれません。でも、音声メッセージを使わないという子は一人だけでした。ここは、今回聞いた中でも、大学生以上の使い方と大きく違う点でした。

 彼女たちの話では、音声メッセージには二種類あるようです。一つは、長文を打つのがめんどうなとき。「人間関係についての話などは、書き言葉にするとちょっとしたニュアンスで内容が変わってしまうこともあるので、音声がちょうどいい」ということでした。もう一つは、ただのネタです。モノマネや変な歌を音声メッセージで送りつける遊びがあるそうです。また、既読なのにスルーされている場合には、ボイスを送りつけるという人もいました。

 

デコメとLINEスタンプの違い

 最後に、やはりLINEといえば、スタンプですよね。よくスタンプを絵文字と比較する人がいますが、スタンプと比較すべきは、絵文字よりもデコメだと思います。デコメはスタンプと同じく課金制だし、デコメ単体でメッセージを伝えることが出来るからです。

 

 デコメ、なつかしすぎる……!!!

 

絵文字よりデコメの方が可愛いですよね

 

 デコメとLINEスタンプの違いは、それぞれ「メッセージ」と「コミュニケーション」を補強するものである点にあります。それは、どういうことか。

 デコメには、上の画像のように文字でメッセージを伝えるものと、下の画像のように絵文字の延長線上のものがあります。どちらも、自分の感情や状況など「意味」や「メッセージ」を伝えるものです。デコメは、テキストを飾るために使っていました。それに対して、スタンプを使うのは、「コミュニケーション」をしたいときです。暇なときや相手に無視されたときに連打したり、なんて返したらいいか分からないときにとりあえずスタンプを送ることって、よくありますよね。このように、LINEスタンプは、「メッセージ」よりも、送るという「コミュニケーション」が重視されています。言葉よりも身体的な接触に近いと、個人的には考えています。

 

ふなっしーのLINEスタンプ

 

彼氏との記念日メッセージはLINEじゃなくてメールで

 たった一時間程度でしたが、いろんなJKのリアルなLINEの使い方を知って、驚かされるインタビューでした。ところで、最近のナンパは「メアド教えて?」と「LINEのID教えて?」のどちらが多いのでしょうか――どうしても気になったので、おせっかいおばさん精神を発揮して、質問してみると、答えは満場一致でLINEのIDでした。LINEならすぐにブロックできるし、メールより楽だからかもしれません。

 

 他にも、面白かったインターネットの使い方があったので、番外編として紹介したいと思います。

 大学生にもなると、ネット上の知り合いと連絡先を交換することにも抵抗がなくなっていきますが、女子高生たちはどう感じているのでしょうか。Twitterなどで知り合った人と連絡先を交換するかを聞いたとき、答えは二つに分かれました。「する」と答えた子は、趣味がある子たちです。ジャニーズや韓流のアイドルが好きな子たちは、趣味専用のTwitterアカウントを持っていて、仲良くなったフォロワーとLINEをしたり、チケットの交換をしたりするそうです。逆に、趣味のない子はIDを交換するどころか、知らない人からのフォローは返さないという子がほとんどでした。オープンで透明なインターネットも、女子高生の前ではクローズドな空間になっているようです。望まない出会い厨や炎上が多い昨今だからでしょうか……。ドンマイ、シリコンバレー。

 

 

 今回のインタビューでほっこりしたエピソードにこんなことがありました。

 

「彼氏との記念日メッセージはLINEじゃなくてメールで送ります。LINEだと流れていっちゃうけど、大事に残したいじゃないですか」(高三)

 

 この話が、デコメの話を思い出すきっかけになりました。彼女たちがわいわいしている姿は、学校を出ても渋谷から帰っても続くのかな、と思うとワクワクしてしまいます。メールだろうとLINEだろうと、放課後インターネットは終わらない。私たちは楽しい話とコミュニケーションを求めて、チャットや掲示板、HPなど、インターネットを旅していました。今の女子高生たちは、スマホのおかげで、その旅がしやすくなっているのかもしれません。特に、LINEはコミュニケーションの選択肢が多く、女子高生たちの暇つぶしの可能性を広げたのだと思いました。グルチャで繋がり続けている彼女たちは、孤独なインターネット体験の時間は少ないのではないかなと思いました。

 

 

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