今回で、ウディコン全作品紹介も三回目となった。ウディコン全作品レビュー第一回はコンセプトがよく提示されているフリーゲームを、第二回はRPGでよくできているものを紹介した。

 

 

しかしウディコンには、RPG以外のジャンルのゲームも幅広く登録されているのだ。今回は、単にテーマや設定、ゲームシステムが面白いだけではない、細部にこだわりを感じる5作品を紹介しようと思う。

 

リソース管理と意思決定で迷路を攻略!-『ダラダラアリの穴掘り迷宮』

 

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対象プレイヤー:何回もやりこめるゲームを求める人

一行コメント:ルールは単純だが熱中度が非常に高い。ミニゲームのお手本のような作品。

 

作者サイトの紹介文には「迷路を遊ぶ時、一度は壁を壊してゴールにたどり着きたいと思った事はありませんか? このゲームはその野望を実現させたゲームです!」とある。実際に、壁をぶち壊しながら、迷路の中をひたすら地下へと進むゲームだ。このゲームの魅力は、ルールがシンプルでわかりやすいこと。プレイヤーは以下の五つのルールを覚えるだけでいい。

1プレイをたった数十分でこなすことができるので、ミニゲームのお手本とも呼べる作りになっている。とはいえ、『ダラダラアリ』の奥深さはシンプルさにあるのではない。

本作は、リソース管理をしつつ、最適な意思決定を繰り返すことを楽しむゲームとなっている。

 

①壁を壊して近道をするか?

②歩いて階段を目指すか?

③スコアアイテムを取るために寄り道をする余力のHPがあるか?

 

プレイヤーは、この三つを戦略的に考えさせられる。

シンプルなのに考えさせるこのゲームは中毒性があり、何十時間でも楽しめそうだった。自分は数回のプレイにとどめたが、それなりにルールや最適戦術を把握した上でプレイに臨んだところ、結果は52階、スコアは3176点だった。中には、900000スコアを達成している人もいるという。

自分のスキルを上げ続けたり、何回もやり込めるゲームが好きな人には、ぜひやってみてほしい。

 

ユーザへの気配りが光るRPG-『聖片の森』

 

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対象プレイヤー:戦術性のあるRPGを求める人

一行コメント:チュートリアルや戦闘システムの工夫が丁寧な作品。

 

いきなり森の中に放り出された。敵に襲われて苦戦を強いられていると、意思を持った「聖剣」にとつぜん話しかけられる――プレイヤーは、死の森の主「エンペルドラン」を倒すべく、「聖剣」と共に森の奥へ進むこととなった。

上のようなストーリーで始まる『聖片の森』は、話の構成にもこだわりをみせ、プレイヤーを引き込んでいくパワーを感じる。一方で、移動・戦闘など、シーンごとにチュートリアルが出るのが丁寧だ。

また、戦闘システムにも細かい気配りを感じる。例えば、属性攻撃を行った際に、敵の属性耐性がアンロック表示されるのだ。それだけで、敵の特徴をいつも覚えている必要が無くなる。ボス戦闘で負けた際、イベントの直前まで戻れるところも良い。

惜しいポイントとしては、ウディコンの投票コメントにもあったように、シンボルエンカウントを採用していながら、敵シンボルを回避しにくい点だろう。ランダムエンカウントを採用しないメリットを相殺してしまっているからだ。とはいえ、全体に、ユーザビリティへの配慮を感じた。RPGとして良く作りこまれた作品となっている。

 

「謎解き」と「アイテム」で道を切り開くアドベンチャー-『深き森の紫苑』

 

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対象プレイヤー:物語とギミックを楽しむ、アドベンチャー作品を求める人

一行コメント:探索要素に加え、先の気になるストーリーも魅力。

 

プレイヤーは、暗闇の森に迷い込んだ少女・シオンの持つ「ランプ」の明かりを調節しながら、森に落ちているアイテムを集めていく。森の中で出会った金髪の少女・ミケリアと協力して、罠や敵を避けながら、謎解きをこなして、森からの脱出をめざす。王道のアドベンチャー作品だ。

明かりを大きくするほど視界は良くなるが、ランプの残量を消費してしまい、すぐに使えなくなってしまう。逆にランプの明かりを絞ると、ふだんは見えないアイテムが見えることがある。気になったのは、メニュー画面を開かなければ、ランプゲージを見ることができないことだった。移動時にも見えるように可視化されていれば、なおよかったと思う。

冒頭から気になるストーリーを展開してくれるゲームだ。アドベンチャーに興味がある人にオススメの作品と言える。

 

銃を持ちゾンビを掃討する3DRPG-『ZAO(Zombie annihilation Operation)』

 

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対象プレイヤー:ファンタジーではなく、ホラーな世界観を求める人

一行コメント:世界観は強烈だが、根底はしっかりした3DダンジョンRPG。

 

ある研究施設に潜入した、特務部隊の少尉である主人公。施設で開発したウイルスが漏洩し、人間はゾンビになってしまった。先に入った調査チームも全滅してしまったため、施設の中にある「調査ファイル」を捜索せよ――という目的がオープニングで通達される。

前回に紹介した「ゴースト ラビリンス」のように、3Dマップを進んでいくゲームだ。ただし今作のモチーフは、ファンタジーではなく、ホラーだ。方向性は「バイオハザード」に近い。序盤はひたすらゾンビを撃ちながら進んでいくが、中盤で突如強敵が出現するなど、スリリングな展開もある。

主人公の初期装備も銃であるのだが、銃の射程距離が1マスしかないところが気になった。システム上の制約かもしれないが、敵のゾンビの攻撃も同じく1マス分なのだから、「銃で遠距離から攻撃できる」というメリットがあってもよかったかもしれない。

 

目の前のキーボードが武器になる!-『ウディタイピング』

 

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対象プレイヤー:一風変わったバトルを楽しみたい人

一行コメント:プレイヤーのタイピングが試される、RPG作品。

 

ウディコンでは異色(?)の、「ゲームでタイピングを覚える」作品。形式はRPGだが、戦闘は「タイピング」で行う。バトルシステムはシンプルで、表示される文字をキーボードで正しく打ち込むと、敵にダメージを与えられる。全5種類の敵と戦うことができ、相手によって英語や漢字など、課題となるタイピングが異なる。

バトル中、キータッチのタイプミス数もカウントされているが、とくにデメリットはないようだった。かえって、ミスせずに連続タイプしても報酬がないことが気になった。たとえば、連続でタイピングに成功することで、演出を変化させたり、ダメージを増加させたりして、ゲームとしての幅を持たせてもよかったかもしれない。

とはいえ、ウディコンに出展されている作品で「タイピング」に着目した作品はなかなか珍しい。

 

今回は、ゲームの細部に焦点を当ててみた。ゲーマーだからこそ気になる、ささやかなこだわりにこそ力を入れているので、非常にじっくりと楽しめる作品が集まったのではないだろうか。これを機会にぜひ、プレイしてほしい。

次回も、面白い作品を紹介しようと思う。

 

 

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