『Ib』、『魔女の家』、『青鬼』、『ゆめにっき』、『霧雨が降る森』……。

 

これらは今、注目を集めるフリーゲームのタイトルです。

しかし、ただのフリーゲームではありません。これらの作品は全て小説化やコミック化など、その人気からメジャーデビューをしたフリーゲームなのです。中でも『霧雨が降る森』は2013年10月初旬にリリースされ、4ヶ月後の2014年2月にコミック化が決定するという脅威のスピードでした。

皆さんはこのようなフリーゲーム人気を支えているのが女の子たちだということをご存知でしょうか。フリーゲームなんてゲームオタクがするもの……。そんなふうに思っているアナタ。遅れていますよ。

今回は今、どうして女の子たちがフリーゲームにハマるのか。そして流行るゲームの共通点とはなにか。

その実態に迫るため、実際にフリゲにハマる女の子たちにお話を聞いてみました。すると『霧雨が降る森』の脅威のスピードは、流行る特徴をしっかりと押さえているからこそ成し得たものということが分かったのです。

 

フリーゲーム人気の鍵を握るのは”ストーリー”

まず、今人気のフリーゲームとはどのようなゲームなのでしょうか。

その特徴を冒頭でも紹介した『霧雨が降る森』で見てみましょう。

 

kiriame

 

『霧雨が降る森』は星屑KRNKRNさんからリリースされた探索型ホラーゲームです。

【あらすじ】

事故で両親を亡くし天涯孤独になってしまった主人公。

ある日、彼女は両親の部屋から『阿座河村』と書かれた一枚の写真を見つける。

写真には父と母、幼いころの自分……そしてまったく覚えのない祖父が写っていた。

(――もしかして、両親の故郷なのだろうか?)

主人公は寂しさと期待を胸に、両親の面影を探すため『阿座河村』へと向う。

 

だがそこは、主人公が決して行ってはいけない――“約束の場所”だった

公式サイトより引用)

主人公が記憶を求め、たどり着いた村にいたのは、一切言葉を喋らない少年・須賀。そして須賀の運営する資料館に入り浸る少女・佐久間などの個性的な面々でした。公式HPで”探索型”ゲームとあるように、このゲームはただ驚かし要素があるだけのホラーゲームではありません。ゼルダシリーズのような謎解き要素が含まれています。その謎解きをクリアしてゲームを進めていくことによって、登場人物たちの過去や阿座河村の謎が明らかになっていくのです。

 

いかがでしょうか?

「想像してたよりもストーリーがしっかりしてるぞ…!」なんて思いませんでしたか。

 

注目を集めているほとんどのゲームがこのような謎解き要素、そして物語要素を含んでいます。謎を解いた後の爽快感。そしてゲーム内の物語に女の子たちは感動し、魅了されるのです。そうしてゲームに魅了された彼女たちはMADやイラスト、マンガそしてbotなど、様々な形でフリーゲームを自分たちの手でメジャー化させていきます。

 

 

謎解き要素や女の子を魅了するストーリー。このどちらもしっかりと押さえたからこそ『霧雨が降る森』は短期間で多大な人気を集めたと言えるでしょう。

 

女の子がフリーゲームを知るキッカケはあの人気ジャンルだった……!?

 

では、彼女たちはどのようにフリーゲームを知り、どのように楽しんでいるのでしょうか。実際に聞いてみました。

 

1.A子(中3)の意見

「友人に教えてもらったのがきっかけですね。そこからTwitterでbotとかもみて……。

 

sugasioキャプチャ

須賀シオbot

 

気になってプレイしてみたんです。そしたらめっちゃ面白くて! 今ではお気に入りの製作者さんのサイトを回るのが日課です(笑)」

 

二次創作をきっかけに実際にプレイする子もいるようです。プレイしていて詰んだら製作者さんのサイトにヒントを見に行ったり、実況でそのシーンだけを見るとのこと。ちなみに今はChimeをプレイ中だそうです。

 

2.B子(高3)の意見

ニコニコ動画のランキングにあった実況動画がきっかけです。それから面白そう! って思って手を付けたんですけど詰んじゃって……(笑)。それからは、詰んだゲームは実況で最後までストーリーを見るようにしています」

 

詰むまでは自力で頑張り、詰んだら攻略や実況動画を見て進めるという意見。一番多かったのがこの意見でした。やはり途中までプレイするとエンディングがどうなるのか気になりますよね。

 

3.C子(高1)の意見

フリーゲームは実況で見ています。ゲーム苦手なのですぐに詰むんですよね……。だったら実況で最後まで見ればいいかなって思ったんです。実況でも十分楽しめますが、謎解きのときは一緒に考えたりしています」

 

このように実況動画だけで楽しむという意見も多かったです。形は変わろうと「女の子たちはストーリーを最後まで楽しむ」という点においては共通しているようです。

今回お話を聞いた女の子たちのほとんどが見ていたのが、いまニコニコ動画で最も注目を集めるジャンル「ゲーム実況動画」でした。フリーゲームは実況のジャンルでも愛されています。月間ランキングを見てみると上位100の動画のうち30個をフリーゲームが占めていました(4/2時点)。冒頭に紹介したメジャーデューしたフリーゲームも全て人気実況者による実況動画がアップされています。今やフリーゲーム人気を支える一つの要素に実況動画は欠かせないといえるでしょう。

 

『霧雨が降る森』も例外ではありません。pixivランキングを見てみると、そのことが分かります。

 

霧雨

 

リリースが10月初旬。そして中旬頃から実況動画が上がり始めました。そしてpixivにイラストが投稿され始めた2013年11月に有名実況者のキヨさんが『霧雨が降る森』実況動画のpart1をあげます。

 

 

キヨさんといえば人気実況者グループ・最終兵器俺達のメンバーとして、ニコニコ超会議など様々な公式番組にも出演しています。そんなキヨさんの実況には多くの人が注目しました。その結果、最終回が投稿された12月中旬にはpixivでの作品閲覧数がピークに達します。今回、話を聞いた女の子の中には、物語がクライマックスになるにつれて続きが気になって思わず自分で最後までプレイをしたと言う子たちも何人かいました。謎解きやアクションで詰んでしまっても実況などでゲームを最後まで楽しむ。これが今の女の子のゲームの楽しみ方なのかもしれません。

 

 

女の子によって楽しまれるフリーゲーム――それは今までのフリーゲームとは少し違い、女の子を魅了するようなストーリーをたっぷりと含むものでした。

これに対して今までフリーゲームやってきた人たちはどう思うのでしょうか。昔からフリーゲームを多くプレイし、今でもランキングをチェックしているというねとぽよ象徴編集長・斉藤大地(20代後半男性)に聞いてみました。

 

「フリーゲームのサイトでホラゲが人気な理由としてストーリーが重視されているのは納得ですね。実際にプレイするとゲーム性はやはり減退したと感じますが、センスのいいクリエイターがフリーゲームに目をつけ出していていいなと思います。あと少し思ったのはフリーゲームの方がコンシューマーより一足先に実況対応したのは興味深いなぁと思いますね」

 

いかがでしたでしょうか。今、フリーゲーム流行の流れは変わりつつあります。その変化に対し様々な意見が出て来ているのも事実です。

攻略を見るか見ないか、プレイをしているかいないかなどなど……楽しみ方は人それぞれで、誰が正しいと言えるものではありません。しかし、全員共通しているのは「ゲームを楽しんでいる」ということ。例えこの先ゲームの楽しみ方が変わって行こうとこの軸はブレることがないでしょう。その軸がある中でフリーゲームがどのようにユーザーの変化に答えていくか。これからも目が離せません。

 

 

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