昨年、会員数が3000万人を突破した「Ameba」。今や、誰もが1度は使ったことのあるのではないでしょうか。かわいいデザインと使いやすさは、男女問わず人気ですよね。

 

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人気V系バンド・シドのVo.マオさんのアメーバブログ

 

今回は、「Ameba」の人気サービスの立ち上げに関わったウェブプロデューサーの”えこちこ”さんこと、永山瑛子さんにインタビューさせていただけることになりました。

実は彼女、Amebaなうやアメびじゅなどの人気サービスを手がけた方なのですが、実は彼女は「バンギャルちゃん」なんです。以前、『バンギャルちゃんの日常』というバンギャルの生態系を赤裸々に描いたマンガの作者・蟹めんまさんと一緒に行った「バンギャル座談会」にも感想ツイートをしてくださいました。

 

 

実は、V系シーンは「Ameba」に馴染み深いんです。多くのバンドマンがアメブロでブログを書き、中にはアメーバピグにハマって廃人になる人も見られます。そこで、今回はえこちこさんと一緒に、「『Ameba』とV系の関係」に迫っていきます。えこちこさんの他にも、アメーバピグに携わった方々、そして以前の記事にひき続いて『バンギャルちゃんの日常』の作者・蟹めんまさんもお呼びしました。

 

バンギャルちゃんの日常 バンギャルちゃんの日常 2

 

参加者の4人から簡単な自己紹介をいただきました。

 

えこちこさん:1985年生まれ。AmebaグルっぽやAmebaなう、アメびじゅ、Candyの立ち上げに携わり、アメーバブログのマイページやペタも担当しました。中学生でV系に目覚めて、CASCADEが本命。cali≠gariとかPlastic Treeも好きです。今でもたまにライブに行きます。

蟹めんまさん:1985年生まれ奈良県出身。アメブロで連載中のマンガ『バンギャルちゃんの日常』がKADOKAWAエンターブレインより発売中。小学生の頃にV系に目覚めて、La’cryma Christi、DIR EN GREYやなどのバンドを聴いて育ちました。現在もバンギャルです。(ブログ:蟹めんまのバンギャル漫画

田久保健太さん:1985年生まれ。サイバーエージェントでは、ブーシュカやブログネタ、クチコミ番付を担当して、4年目からアメーバピグの責任者をしています。L’Arc〜en〜Cielから入って、今はソフトギャ男(※ V系の男性ファンのこと)です。

浅木康之さん:1977年生まれ。アメーバピグの立ち上げに関わって、今はAmebaのスマートフォン向けのゲームを制作する部署にいます。D’ERLANGERやJUSTY-NASTYから入って、La’cryma ChristiとかMALICE MIZERも聴いています。

 

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左から時計回りに、蟹めんまさん、えこちこさん、田久保健太さん、浅木康之さん

 

V系シーンやバンギャルの実体験を通じて、「Ameba」の裏側に迫ります。なんでV系はみんなアメブロを使うのか。V系のTwitterブームが遅かったのは、Amebaなうがあったから?――Amebaなうの制作秘話や、アメーバピグの苦労話も聞いてきました。

 

自己紹介

――まずは、自己紹介からお願いします。

 

永山瑛子(以下、えこちこ) えこちこです。サイバーエージェントに入社したのが2008年で、今は6年目です。AmebaなうやAmebaグルっぽのプロデューサーをして、アメびじゅとCandyは自分で企画しました。他には、アメーバブログのマイページとペタの担当をしていた時期もありますね。

 

蟹めんま なうとかアメびじゅは毎日のようにチェックしていますよ。

  漫画家の蟹めんまです。マンガ『バンギャルちゃんの日常』は元々趣味でアメブロに投稿していたんですが、たまたま出版社の担当さんが見つけて下さったことがきっかけで書籍化することになったんです。まさに人生のターニングポイントなので、アメブロには本当に感謝していますし、思い入れがあります。

 

浅木康之(以下、浅木) そんなことがあったんですね(笑)。

  はじめまして、浅木です。蟹めんまさんのファンで、どうしてもお会いしたくて来ました(笑)。僕もV系は聴いていて、D’ERLANGERやJusty-Nastyから入って、高校時代はL’Arc〜en〜CielやGLAYが好きでした。サイバーエージェントではピグの立ち上げに関わって、今はゲームアプリの担当をしています。

 

――ピグを立ち上げた人に会えるとは……。私は高校時代、ピグの課金廃人だったので楽しみです。

 

田久保健太(以下、田久保) はい、田久保健太と申します。ブーシュカでV系とのコラボを仕込んだのが、新卒で初めての仕事でした。他にもブログネタ、クチコミ番付と経て、4年目からピグの責任者をしています。

 僕もV系が好きで、中学のときにL’Arc〜en〜Cielから入って、DIR EN GRAYとかムックが好きでした。大学の頃に1回上がりかけたけど、X JAPANが復活したり、結婚した影響もあって、今はソフトギャ男です。

 

なうがあったから、V系でTwitterが流行るのは遅れた 

――まず、V系シーンで”ブログ”といえば、アメブロの人気が圧倒的なんですよね。

 

蟹めんま そうなんです。バンドマンもバンギャルさんも、ブログをやっている人はほとんどアメブロユーザーというイメージがあります。「なう」もすごく浸透してますよね。V系界は世間に比べてTwitterが広まるのが遅かった気がするんですが、これはなうが普及していたからだと思うんです。Twitterが流行った今も、あえてなうだけにしているバンドマンもいますしね。

 

田久保 ゴールデンボンバーの樽美酒研二さんも、なう宣言しましたよね。なうは、いつのまにか本物のバンドマンの方々に使っていただけるようになっていて、びっくりしているんですよ。

 

えこちこ 「Ameba」で1番最初のV系タレントは、Janne Da Arcのkiyoさんなんですよ。あと、Alice NineのNaoさん。そこから、いろんなバンドが続いていったという流れがありますね。

 そうそう。V系の方々に影響されての仕様変更もあったんですよ。なうには、書き込まれたコメントを自分以外のユーザーには見えなくする設定があるんです。それを導入したきっかけは、「コメントを見られるのが恥ずかしい」というバンドマンと、「全部の投稿に対して全部返信したいけど、バレるのはいや」というバンギャルのそれぞれの意見を取り入れたからだったんですよね。

 

蟹めんま そのバンギャル心、めっちゃ分かります(笑)。

 

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えこちこ「デフォルト設定ではないので、樽美酒研二さんのなうは丸見えです」

 

えこちこ あと、もう1つV系絡みのエピソードがありますね。というのも、なうをリリースした頃にタレントだけのフィードを作ったんですよ。グラドルの方がいて、有名な俳優やバンドマンの方々もいて、といろんなタレントさんのなうを見れる予定だったけど、実際にやってみたら、少女-ロリヰタ-23区さんに埋め尽くされちゃったんです。

 

一同 (笑)。

 

えこちこ あまりの人気ぶりに、かえって頭を抱えました(笑)。結局、タレントフィードは当時、お蔵入りになったんです。今は復活したんですけどね。

 

田久保 ちなみに、Amebaなうの注目キーワードにV系のリリース情報が多かったのは、彼女が担当していたからなんですよ。

 

蟹めんま そうだったんですか(笑)。

 

えこちこ 全部手動なので、ネタが思いつかないとつい、V系ネタに頼りがちでした。しかも、これが意外と盛り上がるんですよ(笑)。

 ただ、一応言っておくと、もちろんバンギャル以外にも、EXILEやジャニーズ、韓流などのファンもたくさんいるので、なるべくV系のキーワードに偏りすぎないようにと注意しているんですよ。最新の音楽情報やサッカーの試合なんかも、しっかり見逃さないようにしています。

 

――V系の話はTwitterだけでなく、なうでも盛り上がるかもしれないですね。ちなみに、どんな人がメインユーザーなんですか?

 

えこちこ 若い子たちですね。フィルタリング携帯だとTwitterが使えないので、Twitterを使えない人がたくさん集まっているようです。いまでもなうのタレントさんの中でV系人気が根強いところを見るに、バンギャルさんも少なくないと思います。

 ちなみに、当初は「タレントが携帯でやる一言つぶやきサイト」として作ったサービスだったので、ユーザーの方に使ってもらう予定はなかったんですよ。

 

蟹めんま えっ、そうなんですか?

 

えこちこ そのうちにPCからも投稿したい、普通の人も使いたい、となって今の形になったんです。でも、完成する頃にはTwitterがドッカーンと流行ってしまったので、「どうしよう……」と日々悩んでいましたね。「かわいさ」を重視して絵文字やデザインはこだわって作りました。

 

ネオギャはシンデレラペタに必死?

――Amebaなうが出来た2009年頃は、ペタも盛り上がっていましたね。バンギャル時代の私の日課は深夜0時にシンデレラペタ(※)をすることでした(笑)。(※ 0:00に好きなバンドマンのアメーバブログにペタをすること)

 

えこちこ 私が入社した頃は、まだシンデレラペタはなかったんですよ。……そういえば、私、やったことないなあ。

 

蟹めんま 私は一応やったことあるけど、私たちの世代よりも下の子たちの文化ですよね。若手のバンドマンの方だとペタを返してくださる方もいるようなんですが、これも最近出てきた流れですね。バンドマンとファンの距離が近くなっていて、びっくりしました。

 

えこちこ 私たちはペタ返しのことを「ペタフェス」と呼んでいるのですが、これを1番最初に始めたのは、たしか、DAIGOさんだったんですよね。当時はそんな使われ方をするとは思っていなかったから、一気にたくさんの人がペタに殺到して、ペタのサーバーが落ちました(笑)。

 

アメびじゅでV系は変わったか

――ちょうど、なうやピグが盛り上がってきた頃に「アメびじゅ」というV系カテゴリのブログをまとめたサービスがリリースされるんですよね。めんまさんはどんな使い方をしていますか?

 

蟹めんま 私は、いま本命バンドがいないから、「人気があるバンドはどこかな」「面白いブログを書いてるのは誰かな」といろんな人のブログを見たいときに便利ですね。ランキングや、新着に上がっているブログはとりあえずチェックします。バンギャルさんなら、こまめに見ている人も多いのではないかと思います。

 

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アメびじゅTOPページ

 

ーーこれは、どういう経緯で作られたのでしょうか?

 

えこちこ アメびじゅは、会社の企画コンテストで賞をいただいたものなんです。当時、V系バンドのブログを一覧で見れないことがストレスだったので、「V系まとめサイトを作りたい」と思ったんですよね。役員である30歳後半くらいの男性8人を前に、ビジュアル系市場について熱弁しました(笑)。ここで賞を頂いていなかったら作ってなかったと思うので、本当にありがたいです。ちなみに、実装に関しては「じゃあ、好きに作れば」と投げられたんですよね。だから、バンギャルとギャ男社員を4人集めて、業務外で作りました(笑)。自由に作れたので、楽しかったですね。

 

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えこちこ「企画書の一部です。『みんなでライブレポートを投稿しよう』という機能を作ろうとしたけど、実現には至らず」

 

――バンギャル視点で、アメびじゅ以前・以後に変化を感じることはありますか?

 

蟹めんま ブログの良さが人気の一因になりつつある気がします。人気があるバンドのメンバーさんのブログを見ると、バンド活動への本音やファンへの気持ちを真摯に、 そしてマメに書いている方が多いんです。もちろん曲やライブが良くないと人気は出ないと思いますが、ブログで作り手の「人とナリ」が見えると、より応援したくなるんですよね。ブログの内容に心を打たれたことをきっかけに曲やバンド自体に興味を持つことが多くなりました。アメびじゅがあると、そのときに人気のブログがすぐわかるので、新しいバンドを知るきっかけになりますね。

 

えこちこ こうやって、使ってくださっている人の話を聞けるのはやっぱり嬉しいですね。ありがとうございます。

 

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左から、えこちこさん、田久保健太さん、浅木康之さん

 

――ところで、サイバーエージェントの社員さんはバンギャルの方も多いんですか(笑)?

 

えこちこ いやいや、V系好きな人は本当に少ないですよ。あまりにもバンギャルが少ないので、サイバーエージェントバンギャル部を作ってしまったくらいですからね。ただカラオケをしながら、昔の話をして、キャーキャーするだけなんですけど(笑)。

 

田久保 芸能人ブログの部署のエンジニアに、ギャ男がいるよね。

 

えこちこ そうそう。私は彼を「Vマスター」と呼んでいるんですけど、アメびじゅも彼と一緒に作りました。Vマスターは、バンドマンから「こういう機能がほしい」と言われたら実装する、ということを個人的にやっているらしい。

 

浅木 あの人はV系の方々にブログをやってもらうために本当に奮闘してたよね。

 

蟹めんま V系好きの方々が「Ameba」のサービスを作っていたなんて、驚きました。

 (後編に続く)

 

後編では、アメーバピグ、ブーシュカ、Candyについての話を深堀りしていきます。アメーバピグとV系タイアップの裏側や、最近の中高生のネット事情を探っていきます。  

アメーバピグ廃人になったバンギャルが、蟹めんまさんと開発秘話を聞きに行ってみた(後編)

 

 

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